2017/05/13

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何故水耕栽培か?
以前水耕栽培に興味を持っている旨を書いたことがあります。
春作の栽培を開始する季節になってきたので、いよいよおっ始める事にしました。
畑に出来る土地は手が回らない程あるのですが、基本方針が「金・手間を出来るだけかけない」で、薬品や肥料、機械の類を出来るだけ使わないようにしようと考えています。
具体的には今のところ自然農方式で続けていこうとしているのですが、それだと問題になってくるのが「作物の土地に対する向き不向き」
農薬や肥料、機械、資材を駆使すれば環境を変え「本来向いてない作物」も無理やり育てる事は可能でしょうが、そこまでする気は今のところありません。
だけど、何の為に自給自足目指しているかと言えば
①金が無くても生きていけるように、金を使わないで済むような態勢の構築(働きたくないから)
②金で食い物が買えない状況になった時への備え(システム崩壊時対応)
ですから「土が育ってくるまで気長に待つ」と呑気に構えていられない面もあります。
①と②、シチュエーションとしては平時と有事という事になります。
生きるか死ぬか、贅沢言ってられない②の方では、とりあえず「イモ」とか生きるのに決定的な作物さえ押さえておけば、当面バリエーションが乏しくてもまだ良いと思いますが、特に問題なのは①の方ですね。
今現在の平時に「食い物はイモ、オンリー」が何年も続くとなると流石にキツい。
もうちょっと贅沢したい。
普通に文化的な食事をしようとしたらもう少しバリエーションが欲しい所ですが、それを「土が育ってくるまで気長に待つ」とすると、それまでは延々「金で食い物を買う」事になり、つまりそれまではその分金を稼がなければならない。
ここは綺麗事抜きでウラ技的な手を使っても(そうとは言っても尚、美意識とかポリシーはありますが)早い所確実に「収穫」したい訳です。
そこで目をつけたのが水耕栽培ですよ。
畑の土を無理やり変えるよりもお手軽で低コストな方法と思いました。
畑で上手くいくものは畑でやれば良いので、去年畑で上手くいかなかった作物等を中心に水耕栽培を試していこうと思います。
カボチャ
まず手始めに「カボチャ」をやってみる事にしました。
カボチャは戦中、戦後の食糧難の頃、サツマイモと共に良く食べられていたという話を聞いたことがあり、「救荒作物」的なイメージがあって、「強い」とか「簡単」とか思っていたのですが(実際そんな話も聞くし)、去年知り合いから貰った苗を畑に植えたものの、虫にやられたり生育が芳しくなく、実をつける前に全滅してしまいました。
しかし栽培の難易度は置いておいたとしても、日持するし、主食にもなるボリューム。
栄養も豊富でサバイバル的には優れた作物だと思います。
そりゃ、戦争中だったら推奨するかもしれませんね。
また甘みも強いのでジャム的な加工品にして販売するのも良いのではないかと考えました。
第六次産業
第六次産業という言葉を最近聞きます。
何かというと、第一次産業+第二次産業+第三次産業で「第六次産業」
つまり、生産から加工、販売までを一手に行う事ですね。
そうする事で元は同じ作物でも販売の単価を上げられる訳です。
例えば、カボチャ一個を農協的な所へそのまま出荷した時100円だったとして、それをジャムに加工したらカボチャ一個から製品3つ作れて、ジャム一個の単価を300円としたら…
第一次産業だけやる場合に比べて9倍儲かるという話です。
だから、そこまで(加工販売)考えると、出来るだけそこへ繋げやすい作物が有利になってくると思うのです。
資本主義的サバイバルにおいて有利という事ですね。
そういう意味でもカボチャは良いだろうと思いました。
またネットで「水耕栽培」を調べてみると、カボチャは栽培事例も結構あるようで、全然イケるようでした。(水耕栽培では出来ない作物もある)
カボチャの品種は「バターナッツ」にしました。
その名の通り濃厚な味のようなので、ジャム的なもの(カボチャクリームみたいな)にしたら美味かろう、商品としてキャッチーであろうと考えたのです。
催芽まき
タネから芽を出させる「発芽」ですが、この成功率を高めるための方法として「催芽まき」という方法があります。
これは別に水耕栽培専用の方法という訳ではないようですが、水耕栽培の入門書に載っていた手法だったのでやってみる事にしました。
やり方
水を吸わせたキッチンペーパーなどの上に種を置き、それを密閉容器に入れておきます。
このようにすると湿度が良い塩梅になり、発芽率が高まるようです。
ところで、2月末から3月の頭頃、東京の実家へ帰りました。
発芽までは何日かかかるので、この移動・滞在時間も無駄なく利用しようと考え、催芽まきの密閉容器は東京でセットしました。
確かセットして3日程だったと思いますが、20個の種のうち15個程が発根(カボチャの場合、芽ではなく先に根が出てくるようですので一応)しました。
種の袋に書いてあった発芽率75%キッカリです。
室温はあまり意識して見ていなかったのですが、岡山の家より明らかに暖かく、20度近くあったでしょうか。
そして、その根の出た種をそのまま岡山に持ち帰りました。
(何気なく書いてますが、この辺の話は次回に続く伏線です)
水耕栽培開始
早速、水耕栽培用の容器をペットボトルで作りました。
2リットルのペットボトルを横に切り、セルトレイをそこにハマるようなサイズに切り取り被せます。
セルトレイはホームセンターで一枚100円位で買うことが出来ます。
育成に土は必要ないのですが、作物を支える為の土台は必要です。
使っていなかったボロ座布団の中のスポンジを利用することにしました。
カッターで切れ目を入れ根を包むように挟みます。
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それをセルトレイに差し込みます。
液肥
液肥は以前水耕栽培を紹介した記事でも書いた「ハイポニカ」です。
入門書に従い濃度は500倍としました。
水で満たした2リットルのペットボトル容器にA液・B液それぞれ4cc入れればOK。
目盛り付きのスポイトが付属していたので、溶液を作るのはとても簡単です。
根は水面に触れていませんが、スポンジが水を吸い上げるので大丈夫だろうと考えました。
むしろ根っこは酸素も必要とするので、培地と水面の間に空気の層、つまり隙間が必要だと本にも書かれていたので、尚の事これで良いだろうと思いました。
下手こいた
ところが翌日見てみるとタネが妙に乾いています!
スポンジを触ってみると全く水を吸っていません!
慌ててスポンジを開いて根を確認してみるとヘロヘロに萎びていました。
しまった!このスポンジ、保水性が低いのか!
下手こいた~!
スポンジならどれでも同じだろうと軽く考えていました。
今更ですが、このスポンジは却下してとりあえず、卵パックにパーライトを敷き詰め溶液をひたひたにして、種をそこに乗せました。
新たな培地
そして入門書で培地として推奨していたパームピート(言葉の響きが似ているけどピートモスではありません)を探しにホームセンターや100円ショップを見に行ったのですが、近場では取り扱いがなく、手に入りませんでした。
仕方なく100円ショップにあった「フラワー用吸水スポンジ」というものを買い求め、早速種達をこのスポンジに植え替えました。
ダメだった…
この吸水スポンジの培地でしばらく様子を見たのですが、 結局持ち直すことはなく、根が腐れて千切れたりして、この種達は全滅してしまいました。
せっかく買った種を一袋無駄にしてしまった。
そういった経済面の痛みもありますが、このように発芽させるところから毎日様子を見て世話をしていると子供やペットを見守るような気持ち、「愛おしい」という感情が湧いてきており、可哀想な事をして死なせてしまった、申し訳ない。
そういう心理的な痛みも大きく感じました。
次回「ここまで差が出るとは…植物にとっての気温の重要性を身をもって知る」へ続く
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