2017/05/13

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「ぼっち村」と言う漫画を読んでみました。
概要としては、
「実際に作者が地方移住して食の自給自足を目指して畑仕事とかする」
みたいな感じのドキュメンタリー。
まず作者の自己紹介からして年齢、経験、能力とか共通点が多くてシンパシーを感じました。
地域に溶け込む事
しかし、この「孤独に強い」って、地方移住とかそういうシーンでは強力な能力の気がしますね。
数日前、Yahooでニュースとかチェックしてたら、「地域おこし協力隊」の失敗事例みたいな記事が載っていたんですが、その中で「うまく溶け込めずに孤立」してる事を苦にしている人の話がありました。
でも「孤独に強い」人は多分、そんな状況もあんまり苦になりませんしね。
そりゃあ、上手くやれるにこした事はないですが…
私は正直「別に石投げられるとか意地悪されるんじゃなけりゃ、よそ者扱いでも問題なくね?」とか思ってますからね…
そんなに都会で上手くいってたのかい?
私は元々人付き合いが得意じゃないとか、職を転々としてるとか、そういう要素があるから、「よそ者的ポジション」に慣れてるっていうのもありますね。
上記の記事の「孤立した人」は「移住して後悔」的な事言ってましたが…
その人の移住前の立場は知りませんが、「じゃあ都会にそのまま居たら、その先の人生、何か展望があったんですか?」と思ってしまいました。
おりしも、その記事を読んだ後にyahooで見た別の記事は「正規社員と非正規社員の格差の話」でした。
体調が悪くなっても休みも取れず、健康保険も入ってないから病気を放置して…
みたいな暗い話でした。
恵まれた職場で恵まれた立場にある、要するに既得権益を持っているなら「それを捨て、移住したけど後悔」も分かりますけど、そんな人がどれだけいるのか?
さらに、その中から移住する人が一体どれだけいるのか?
結局、上記の例のような暗い話は今時ゴロゴロしてる訳じゃないですか。
実際、その記事見た後、画面の下の方に出てきた関連記事で2つ3つまた暗い話読んじゃったし。
程度の差はあれ、「都会でうまくいってない」「行き詰ってる」「活路を求めている」ような人が移住という事を考えるのではないかと思うのですが、そうするとつまり…
一言で表すと…
地方移住して上手い事立ち回り、都会に残った人を煽ってる有名な人に「イケダハヤト」という人物がいます。
イケダハヤトのブログタイトルは「まだ東京で消耗してるの?」
イケダハヤトは上手くやっている勝ち組だから、ネガティブな人は素直に受け取れない面もあるようです。
妬みとか、上から目線を感じるとか、そんなんでしょうか。
ですが、私のような、成功者ではない、底辺の立場からも「まだ東京で消耗してるの?」と言う疑問は抱いてしまう。
「ルサンチマン」と言う漫画のワンシーンですが…
このノリ、「下から目線」で思うのです。
「その暗くて不健康な人生、何かおかしくね?」と。
農業も、気を付けないと金がかかる
出費を描いてるシーンでは…
肥料とか機械とか農薬とかね。
私も引っ越し前、知り合いに「移住して自給自足を目指す」と言った時、「え~!?無理無理!止めなって!トラクターとか幾らするか知ってるの!?」と言われた事がありました。
私はとりあえず「自然農法」と言う、「耕さず、草を生かして共育ち」的な方法を選びましたが、それはエコとか何とかっていう観点とは別に、「金がかからないから」という理由も大きな動機でした。
農薬とか肥料使った方が、確実に、大きいモノが獲れたりはするんでしょうけどね。
自分で食べるなら小さかろうが曲がっていようが、多少虫が食っていようが構わないじゃないですか。
モノの値段
「おかしいだろ物の値段!」
これもシンパシー感じました。
私も、「モノの値段」に疑問を持つことが良くあります。
そして「農業」ってハンパな事では割に合わない仕事ではないか?
それは大分前から気が付いていました。
商売としてやろうとしたら、確実性とか効率性が必要になってくる。
生活かかってたら「今期は獲れなかった」じゃ済まない訳で。
ましてや出荷先と契約なんかしてた日にゃあ、自分が困るだけで済まない訳で。
そうするとやっぱり農薬だ肥料だ機械だと使わざるを得ない。
こうして敷居はどんどん上がっていく。
上記の「トラクター幾らすると思ってるの?」の話もそうですが、商売(本業)として農業を選ぶと言う事は、実際敷居の高い事だと思います。
以前TVのドキュメンタリーで見た話ですが「高い設備を借金して揃えた。何十年か頑張って、借金返し終わった時、それを区切りに農業を辞めた」何てケースもあるようです。
一体何の為の人生だったのか…
そしてそうまでして作った物は幾らで売れたのか?
改めてもう一度書きますよ…
「おかしいだろ物の値段!」
最近はTPPとかで騒いでますが、考えて見ると農業というのは、ずっと前からデフレとかグローバルとかの問題との闘いに直面していたのかもしれないと思います。
半農半X
半農半Xと言う言葉をご存知でしょうか?
私も数年前にたまたま知りました。
要するに、従来の言い方をすれば「兼業農家」的な農業への取り組み方の事ですが、それをポジティブに、深みを持った考え方として表現した言葉です。
「半分の労力で食べるものを自給して、後は好きな事やったら良いじゃない」的な感じですね。
その言葉、考え方を知った時、「あ、それだ!」と思いました。
もっと前から、専業農業・商売農業の大変さ、敷居の高さは頭にあったので、何となくモヤモヤと、自分がやるならば、そうじゃない道、兼業的な組み合わせ・戦略を取るべきだとは思っていたのですが、そのモヤモヤがスッポリ納まる入れ物を見つけた気分でした。
「トラクター幾らすると思ってるの?」の人のように、商売としての農業と、自給の為の「農」が混同されている風潮は一般にあると思います。
半農半Xと言う概念がもっと広まって共通認識になっていれば、話の通りももっと早い気がします。
「いや、私がやりたいのは、半農半Xなんですよ」と。
このブログでは「自給自足を目指す」と良く書いてますが、実はそれは通過点であり、自分なりの「半農半Xスタイルの確立」が目標なのです。
ちなみに半農半X提唱者の塩見さんは「研究所とか研究者の肩書をとりあえず名乗れ。それは自由で、資格なんかいらないんだから。」とも言っていました。
一人一研究所ですな。
家の値段
これも、ほぼ同じような驚きを私も経験しました。
地方移住を考えはじめ、色々出かけたり、イベントに参加したりする中で最初に耳にした話には仰天しました。
それは奈良県の話で「”山”付き一戸建て300万」というものでした。
地方在住の人にとっては驚きも何も無い話かもしれませんが、東京近郊では一戸建て等、○千万~が常識でしょう。
「夢のマイホーム」とか「住宅ローン○十年」とか、そんな話を子供の頃から耳にして、「家」っていうのはそういう物だと思い込んでいました。
だから、その「300万」は特別な話かと最初は思ったのですが…
その後、色々地方巡りをする中で、似たような話を次々と耳にする事になりました。
いや、むしろ、どんどん「安さ」記録が更新されていきました。
「200万」「150万」「100万」そして100万以下。
もはや軽自動車より安い…
元がそのレベルなのに「交渉したら半額になった」なんて話も聞きました。
挙句の果てに、ボロボロの傾いた家で、そのままでは到底住めないけれども「無料」のものとか。
東京近郊等とは全く異なる常識の世界が広がっていたのでした。
そして現在私の住むこの家は…
一言「破格」とだけ言っておきましょう。
借りる場合の家賃もピンキリで、ぼっち村作者も最終的に家賃無料(毎月酒を一本)の所に行きついていました。
私の身近に知っているケースでも「家賃無料」の人がいますね。
探せばそんな話はゴロゴロしていますが、地方によっては「空き家はあるのに貸し物件、売り物件は無い」ところもあったり…
土地柄もあるのかもしれませんし、「運」「タイミング」も重要だと思います。
また別記事として書こうと思っていますが、「無ければ自力で建てれば良いじゃない」なんて考え、手もあります。
私自身、運とタイミングによって、ひょんな事から空き家を手にしましたが、当初は土地だけ確保して小屋レベルの建物を自分で建てる気でいました。
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